騒がしい声が廊下まで響く二年D組の教室のドアを開く。



「キャハハハハ!!それヤバい!超ウケたわ!!」

「だろー?」

「ねー真帆、今の聞いたー?」

「あっ、ねえちょっと、来たよ…っ」



私の姿を見つけるや否や、ターゲット発見と言わんばかりに互いに目を合わせて作戦を確認し合う取り巻き達。



「………」



窓側の列の一番後ろが私の席だ。私が自分の先に辿り着くためには、まずはコイツらを避けていかなければならない。

なぜ私の席の近くに取り巻きがいるかって?それは私の隣の席の相手が、



「堀川くんっ!石本だよホラ」



堀川だからだ。

席替えでこの席順に決めた担任を何度恨んだことか…。

隣の席には毎回毎回取り巻き達が集い、中心にいる堀川を囲むようにしている。そして馬鹿の一つ覚えのように「ホリカワクンホリカワクン、マホマホ」と堀川に媚び諂う。



「………」



「ホリカワクン、イシモト、キタ、イジメヨ」という喋るインコ共の視線を痛いほどに感じる。

石ころの視線に怯えていたらキリが無い。ハイハイ無視無視。

しかし、



「…っ!」



堀川の席の後ろを通ろうと歩き出す私の前に、ハードルが現れた。ハードルというか、取り巻きの一人である男子生徒の足。

それを飛び越えるほどの身体能力を持ち合わせていない私は、見事に足に引っ掛かり「ドグシャアアン!」と華麗に転んでしまった。



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