「ピーチジュース買ってこい。五分以内な」

「………」



この状況を、人は《パシリ》という。

昼休みに入った早々呼び出され、母親が作ってくれた愛情弁当を泣く泣く諦めて駆け付けて来てやった私に、この男は涼しい顔で慈悲も無い言葉を浴びせてくる。

立ち入り禁止の屋上のコンクリートに我が物顔で寝そべり、息切れしている私に「おせえよ」と文句を垂れるクソ野郎。

その男の名前は、堀川真帆。

女みたいな名前だが、耳には校則違反のピアスをアホみたいに付け、同じく校則違反のアホみたいに明るい茶色の髪を耳にかかるくらいに伸ばし、学校指定の制服をアホみたいに着崩している、ただのアホだ。



「………」

「聞いてんのか、オイ」



そしてこの傲慢な態度。聞きました?!汗だくになってもここまで来てやった菩薩人間に向かって「僕、ピーチジュース!」ですって!!


ピーチジュース?!僕ちゃんピーチジュースがいいの?!




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同級生  いじめっ子  ツンデレ  地味