誰からも愛されない
⑥ その後 2️⃣

✛✛知らない部屋


人の話し声で目が覚めた。
テレビをつけたまま寝たのかしら・・

頭が覚醒してくると
知らない天井
知らない壁
知らないベッド
えっ!!!!

ベッドから降りると
洋服を、着たままだった。

話し声がする方へ行くと
「だけど、父さん
彼女を彩心ちゃんを苦しめた
父親を許せないんだ。

彼女がどれだけ辛かったか
僕には計り知れない。
それでも、彼女のたった一人の
血の繋がった肉親であるのは
良くわかっているから
僕がしてあげれる事はないんだね。

ああ、はい。はい。
わかっていますよ。

大丈夫、僕にとって
とても大切な人なので
彼女が、いやがる、怖がることは
しませんよ。

母さんの風邪はその後大丈夫ですか
そうですか?
無理をしないように言って下さい。」
と、電話を切り
人の気配で振り向くて
彩心ちゃんが涙を流して立っていた。

「彩心ちゃん!!
どうしたの?どこか痛い?
ああ、知らない家でびっくりした?」
と、焦った顔で矢継ぎ早に訊く
忍さんが可笑しくて
泣き笑いすると
忍さんが困った顔をしながら
抱き締めてくれた。
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