誰からも愛されない
⑦ お付き合い

✛✛気持ち繋がる


忍さんの喜びようがすごくて
こちらが恥ずかしくなってくる。

でも・・こんなに喜んでくれて
本当に嬉しい。
 
「彩心ちゃん、嫌、彩心?
って呼んでよい?」
「はい、忍さんが呼びやすらいように
呼んでください。」
「うん、ありがとう。
じゃ、彩心も忍はだめ?」
「ちょっと、呼び捨ては・・まだ・・」
「クスクスっ、わかった。
凪は、秋山さんだったから
忍さんでも、嬉しい。」
「あっ、それ気づいてました?
自分でも、どうしてなのか
わからなかったのです。」
「気づいていて、
密かに喜んでいたんだ。
それと、敬語はやめて。」
「えっと、善所します。」
「クスっ、わかった。
本当は、このまま帰したくないけど
彩心も一人になって落ち着きたい
かもしれないので送るね。
でも、彩心、何かあったら直ぐに
連絡して。
仕事中で、出れないときは、
必ず折り返しかけるから。
何も無くても連絡して。
僕が寂しいし、彩心の声聞きたいから」
と、言うと
「うふふっ、わかりました。
私・・携帯とかまめではないのですが
頑張りますね。
私も忍さんの声聞きたいから。」
と、真っ赤になりながら言うと
「ああああっ、もう帰らないで
ずっと側にいて。」
と、いいながら
忍は、彩心を抱き締め
「彩心。キスしても良い?」
と、いいながら
彩心の顎を持ちあげて
唇にチュッとする。

キスをした後、忍は彩心を見つめて
再びキスを繰り返し
彩心のおでこ、右の頬、左の頬
鼻、顎、そして再び唇に。
何度と繰り返され
恥ずかしさでいっぱいになるころ
忍さんがギュッと抱き締めて
「送るよ。」
と、言って眼鏡をかけ
彩心の手を引いて
玄関に向かう。

彩心も寂しいと思いながら
お互いの明日の仕事も考えて
忍について行く。

忍は、くつを履き
彩心が履き終わると
再び玄関で、彩心を抱き締めて
「たまらなく好きだ。」
と、囁く。

彩心は、コクりと頷いて
忍のシャツを型がつかない力で
握り体を預けた。

しばらく抱き締めて
忍は、彩心の頭にキスをすると
再び 彩心の手を繋いで
玄関を後にした。
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