「綾女これ読んでおいて」

「綾女これ下の階持って行ってー」

「綾女お茶」

「綾女僕の代わりに出てきて」

「あーやーめー」



この社長の人使いの荒さといったら、ノイローゼ手前。

今まで一緒に仕事してきた上司達の中でここまでこき使うような人はいただろうか。

いや、いない。



「……社長、ご自分の決裁印ぐらいはご自分で押されてはいかがですか」

「綾女押しておいてー」



応接のソファーに寝転がりながらコーヒー片手にノートパソコンをいじる社長。

かくして社長の代わりに社長席にまで座り社長印を押し続ける私。

これは秘書の仕事なのだろうか。

こんなのが代表取締役で大丈夫か。

本当に潰れるんじゃないかこの会社。

なぜ私が社長の代わりに代表の決裁印を押さなくてはいけないのだ。




「はぁ…」

無意識に出る溜息を慌てて飲み込んだ。

社長の態度にイライラしながらも丁寧にボンッボンッと社長印を押していく作業を続ける。

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