君のために、死んであげる

゚+o。2

直属
うーん直属
直属

「何やんだよそんな仕事…」

やった事ねーよ…?
マジで

「とにかく、俺の元で働けばいい」

とは言っていたものの…


困ったなぁ




あと、困ったことといえば、こんなこと

「な、何この服」

メイドさんかな?

「私にこんなひらひらスカートとか似合わないんだけど」

「大丈夫だ」

「てことは、……似合ってる?」

「いや」

「……酷い」


とりあえず、身の回りの掃除をやってみる

「ま、やるからには頑張るか」

家は家族が事故で他界していていないので、掃除は得意だった

「掃除道具って、どこにあるんだろ」

探してみるか

シューに聞きたかったけど、仕事?に集中していたのでやめた


ガチャりと分厚いドアを開ける

「こんな綺麗なとこにないっぽいけど…」

ま、やればいいか、やれば

直属って言われあまり長く外にいられないので、小走りする

角を曲がったとき

「わぁっ!?」

「わっ……」

わ、私、すごい大声出しちまったな…ハズ


「ごめん、大丈夫?」

「あっはい」

差し出された手を、キュッと握った

「すまないね、マドマーゼル、おや、綺麗な髪だね」

「え?」

「艶やかな黒、とは…。実に美しいよ。この国では黒髪は珍しいからね」

「へぇ」

この意味不明な喋り方をする人は、金髪で青い目をしている。背は高くて、モデルのようだった

「あ、そうだ、掃除道具を知りませんか?」

「おや、探しているのかい?」

「はい」

「君、仕事は、何についているんだい?」

「直属です」

「え」

「え?」


しばらく、沈黙が続いた



「あ、あぁ、直属か。すまない、少しばかり取り乱してしまったよ」

その時、声が響く

「おい」

凛とした声

「何やってる。お前、、直属だろう」

「あぁいや、掃除道具を…」

「いい。仕事を頼みたい」

「はぁ…」

「デーガ。お前、こいつにちょっかい出してねぇだろな」

「Yes!我がプリンス!」

「プリンスゥ!???!!!?」


またもや沈黙が…


「…………………………………………は?」

「…………き、君…」

「知らなかったのか?」

「は、初耳です」

「……」

「え、や、だって、こんな毒舌男が王子なわけ…」

「おい」


あ…

言ってしまった…すまぬ
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