替え玉の王女と天界の王子は密やかに恋をする
晩餐会の夜




「シャルア王女のご回復を祝って…かんぱーい!」

「乾杯!」



あれはどこの王様だったか…
今日、舞踏会に来てくれた王族の中でも一番年長の…
そうそう、隣国のシヴァルの王様だ。
その人の乾杯の合図で、皆がグラスを掲げた。



主だった王族の人達はほぼこの晩餐会に来てくれた。
もちろん、ルーサーさんとマーカスさんも…
だけど、そこにフェルナンさんの姿はなかった。



どうしたんだろう?
王族ばっかりだから、遠慮したのかな?
気にはかかるけど、フェルナンさんがいないことで、寂しいようなほっとしたような…複雑な想いを感じた。



舞踏会でもちょっと見かけたけれど、晩餐会にもマリウスさんは来られていた。
以前、お会いした時とは違い、今日はとても貫禄を感じる。
かっちりとした服装のせいなのか、すっきりとまとめられた髪型のせいなのか…



服装や髪型って、本当に雰囲気に影響を与えるよね。
フェルナンさんも、最初は本人かどうか迷った程だもん。



今日のフェルナンさんもすごく格好良かった。
ルーサーさんと仲良さそうだったけど…もしかしたら、ルーサーさんが紹介した貴族の家の養子にでもなったんだろうか?
でも、どうして?



聞きたいことはたくさんあったけど、ダンス1曲の間には訊けるはずもなかった。
なにより、私はあの時、冷静でもなかったし…



(あぁ、だめだめ。
またフェルナンさんのことばかり考えてる。
忘れなきゃいけないのに…)

< 213 / 257 >

この作品をシェア

pagetop