替え玉の王女と天界の王子は密やかに恋をする
未来へ




「一体、何がどうなってるんだ?
フェルナンがヴァリアンの王子で、サキと結婚するなんて。」

「正直言って、私にもまだよくわからない。
だけど、サキと一緒にいられるなら、私はそれだけで幸せだ。」

フェルナンさんはそう言って、私に微笑みかけ、私も自然に微笑み返し。

「早速惚気けかよ。」

マリウスさんは、笑った。



次の日は、親しい人達を招いてのパーティだった。
マリウスさんも遠い所を駆けつけてくれた。



「マリウス、ガザンの復興はどうだ?」

「暇が出来たら、是非見に来てくれ。
きっと驚くぞ。」

「そんなにはかどったのか?」

「あぁ、元のガザンの民やら、意外にも協力者が多くてな。
それに、魔法使いも最近は手を貸してくれてるから。
城だけは見違えるようになったぞ。」

「それは楽しみだ。近いうちにぜひ見に行かせてもらうよ。」



ルーサーさんと、マーカスさんももちろん来ていた。
今回は、二人共、美しい女性を伴って。



「フェルナン、シャルア、おめでとう!」

「ありがとう…ルーサー、マーカス。」

二人は、女性達を紹介してくれた。
二人共、近いうちに結婚するとのこと。



「アーリアの神託に振り回されるのは、もうこりごりだからな。」

ルーサーさんの言葉に、みんなが笑う。
フェルナンさんと結婚出来た今だからこそ笑えるけど、そうじゃなければとても笑えなかった。
ルーサーさんも、こんな軽口は言えなかったよね。


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