替え玉の王女と天界の王子は密やかに恋をする
side シャルア
「な、なんですって!?
では、シャキアは本当にこちらに来ていたと…!?」

「はい、あれはシャキア様に間違いないと思います。
シャルア様に生き写しのお顔をされてましたから…」



(シャキア……)



ジャミア方面に出ていた部隊から、シャキアらしき者を発見したという報告を受けました。
とても粗末な身なりをして、ブラッサという町で買い物をしていたというのです。
その者の顔が私にそっくりだということでしたが、私にはまだ信じられません。



シャキアがこちらに来ていたら、すぐに我が国に来るはずです。
それなのに、ブラッサで暢気に買い物をしているだなんて…
他人の空似ではないのでしょうか?



しかも、親衛隊は、その者を見失ってしまったというのです。
若い男性と一緒だったということですし、やはりその者はシャキアではないのかもしれません。
ですが、絶対に違うとも言えません。
今は、とにかくジャミア周辺を中心に探すように命じました。
その者に訊ねれば、すぐに真実はわかるのですから。


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