みんとキャンディ
身も心も乙女です
休日の昼間。



少し着飾った王子を遠くに見つめながら、聖梨は一人落ち着かなげに辺りを見回していた。



制服姿も、カフェ バタフライのウェイターの格好も、どちらだって魅力的に着こなしていた皇楽の私服姿は更に魅力的で……。



お気に入りの服を着て隣に並びたい妄想にかられるが……、



「あっ。来た来た」



実際の皇楽の隣に居るのは、



「っ!!」



藍楽の言った通り、



185センチの皇楽を一生懸命見上げる身長差に、



上目遣いの表情は、ふわっとしたウェーブヘアーにマッチして可愛い……。



更には、



ミニスカートにヒールのあるブーツは女の子らしさをイヤと言うほど醸し出していた……。



目の前に現れた彼女に、



皇楽は聖梨が見たこともないようなキラキラの王子スマイルで彼女を見ている。



それに微笑み返す彼女の顔も嬉しそうに笑っていて……、



思わず聖梨は下を俯いた。



そこにあるのは、すっかり履きつぶしたスニーカー。



お店のショーウィンドウに映る自分は、藍楽からの変装という要望で、



キャップを被り、雄楽に借りた完全にメンズ物の服を着ていた。
< 22 / 73 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop