朝。


目覚ましの鳴る部屋で、一人の少女は飛び起きた。


「ふあぁぁ〜」


色気もくそもない大欠伸をしながら、制服をクローゼットから取り出し、ベットに放り投げる。


「……もう、皆、起きてんだ」


下から聞こえてくる音に耳をすませ、時計を見上げた私―…黒橋沙耶(クロハシ サヤ)は、


(……今日も、生きてる)


脈をしっかり打ち続ける自分の心臓にうんざりしながら、制服に着替え始めた。


腰まである長い母譲りの漆黒の髪を高く結い上げ、父譲りの切れ長の漆黒の瞳で鏡をのぞき込む。