「……馬鹿じゃない?」


「アハハッ、ロシア語って!!」


「ハハッ、世界を股にかける相馬も、小さい牢獄の中じゃ無知だね~」


桜の真剣な声に続いて、ゲラゲラと笑う面々。


誘われて、屋上に来たものの……うん、転入してきて数日しか経ってないのに、既に私が疲れているのは何故だろう。


沙耶の予想を上回る彼らの元気よさ。


転入理由も、


・学校のサボり癖を治すため


・桜の成績のため


だったわけだし。


本当、平和すぎて気が抜ける。


「仕方ねーだろ。蒼繚華ではあったんだから」


「でも、あそこは夏翠(ナツキ)の家が経営する、名門私立校。ここは、普通の公立だよ?あるわけないじゃん!」


「でも、なんでドイツ語やロシア語なのさ?相馬なら、十何ヶ国語も話せるんだし、英語でもいいじゃん。逆に、英語の方が良くない?小さい頃からやっている分」


「……最近、ドイツとロシアを行き来してたんだよ。フランス語でもいいが、書くのなら、そのふたつが楽なの」


「ロシア語って、面倒くさくない!?」


「桜の認識だと、そうかもな」


「そんな事ねーよ?慣れれば」


「人が英語で苦しんでると言うのに!」


「そんなことを言われても」


桜と御園相馬って人が言い合いをするのを、全員、笑ってみてる……話している内容が、いささか、現実離れしていると思うんだけど。