かおるこ連絡ノート
ずっと、兄のアキオに憧れていた。
いつだって、兄は自由で。
兄の弾くギターは、強くて、ハルオの中の何かを、強く揺さぶった。

兄のようになりたい。
ちっぽけな自分に、いつまでも劣等感を抱えて。
未来さえも見えなくて。

だけど。
兄の側にいれば、何かが変えられる。
そんな気が、した。

ハルオは、よくアキオに殴られた。
頑固な親父は、よくハルオをかばってくれたが、そうなるとなおさら、アキオはハルオを邪険にした。

憧れて。
側にいたいと願って。

思えば思うほど、アキオは、ハルオから遠ざかった。
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