最後の告白
あっくん。本名、本田篤之。


物心ついた時からお隣に住んでいる7歳年上のひと。


3歳下の弟と私にはお兄ちゃんのようで、小さいころからあっくん。あっくん。と呼びなついていた。


優しくてカッコ良くて頭も良くて、憧れのお兄ちゃんだった。



あっくんが高校生の時、あっくんのお父さんが事故で亡くなった。それからはみっちゃんおばさんと二人で暮らしている。



憧れの『お兄ちゃん』から『好きな人』に変わったのは私が13歳の時。


20歳になったあっくんのスーツ姿をみた時だった。
それまで『お兄ちゃん』だったのが『男の人』に見えて、急にドキドキしたのを強く覚えている。



気持ちが盛り上がってしまった私はすぐにあっくんに告白をした。


結果はもちろん玉砕。



『莉緒はかわいい妹みたいなものだよ。それに同世代にもっと莉緒に合う男がいるよ。でも、ありがとな』



そう優しく笑いながら頭を撫でられ、想いが余計募った。



それからは私は『あっくん一筋』だった。
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