腹黒上司が実は激甘だった件について。
早く俺のものになれよ
坪内さんは私をベッドで寝かそうとするけど、家主を追いやって使うわけにはいかない。

「私はソファーで寝ます。なんなら床でもいいです。」
「いや、ダメだ。ベッドを使え。」

さっきから一向に話が進まない。
余計気を遣うからそういう優しさはいらないんだけど。

「私をベッドで寝かすなら家を出ていきますからね。」

いつもとは逆パターンの私からの攻撃に、坪内さんは一瞬黙った。
ふふふ、私の勝ちだな。

「ソファーで寝るなら家を出ていかないんだな?そうかそうか、じゃあ一緒に住むということか。なるほど、それならオーケーだ。」
「はああ?ちょっと、どうしたらそういう考えになるんですか!バカですか!」

坪内さんは勝手に納得して意地悪く笑う。
結局私が言い負かされて、というか、もしかしたら墓穴を掘ったのかもしれないけど、坪内さんは満足そうだ。

私は不満だけど、ソファーで寝ることになったので一先ず落ち着いた。
やっぱり漫喫とは違うね。
心地よくてすぐに眠りについた。

と思ったけど、やっぱり緊張してたのか早く起きた。
でも今日は朝御飯を準備しようと思ってたんだ。
ちょうどいい。

昨日漬けておいたきゅうりを味見する。
うん、いい塩梅に漬かってる。
あとは卵焼きくらい焼いておこうか。
お味噌汁はインスタントを見つけたから、勝手に拝借した。
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