それは突然だった。

俺のデスクに置かれた一通の退職願。
システム部門の庶務であり俺の直属の部下である、秋山日菜子からのものだ。
残業中、少し人が少なくなった時間帯に、隠すようにそっと持ってきた。
彼女の揺れる瞳に少しの躊躇いを見つけた俺は、すぐに受理することをやめて、上には報告せずとりあえず保留にした。

秋山さんは入社時から俺の配下だ。
今は課長に昇進している俺も、最初は主任だった。
その時から、4年間大切に育ててきた部下だ。
教えれば素直に吸収するし努力家でもある彼女だから、庶務だけにとどまらず、ちょっとしたシステムのトラブルやデータの抽出業務等も任せてきた。
仕事の不満なんて聞いたことがないし、ちゃんとコミュニケーションも取ってきたと思っていたのに。

これが、結婚とか出産とかで辞めるなら、喜んで送り出してあげるところだけど、どうも違うっぽい。
彼女に何があったのだろう?
聞いていいものなのか、躊躇してしまった。

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