何年経っても、春樹は再婚をしなかった。特別な女性がいる様子もなかった。それでもあの春樹を女性が放っておくはずはなかった。何人かの女性が、前妻である私に会いに来た。春樹を愛しているその女性たちが、妻であった私に向ける眼差しを前にして、私は少し得意だった。

「私はあの人の妻だったのよ、あの人に愛された時間があるのよ、あなたたちが知らないあの人を私は知っているのよ。」
 毎回、私はそのようなことを言った。そして女たちは、その言葉を前に、打ちひしがれて帰っていった。