病院で私は初めてあの女に会う。春樹のベッドの横には、一人の女がいた。長年連れ添った妻のように、春樹の世話をする女がいた。私より若いその女は美しかった。そしてその穏やかな笑顔を見て、私はすぐに、この女が三十年前のあの女なのだと気づく。そして、春樹のその女に向ける眼差しから、二人がこの三十年間、どのような関係だったのかが分かった。二人の間に、私の居場所はなかった。