暴君陛下の愛したメイドⅡ【完】

スフィア様の過去






これは私ことリヤナ・チベットが今現在仕えている側妻様についておよそ5年の月日が経とうとしていた時。

新しく8人目の側妻様がハレムにやってきた。


「よろしくお願い致します!」

その方は一人ひとり側妻様の部屋まで行き挨拶をする、礼儀正しくて見た目の可愛らしい方で、周りからの評判も良かったと聞く。


皆、その側妻様を妹のように可愛がっていた。

……………けれど、ある事件から皆は態度が変わってしまった。


それはその側妻様一人に贈られた王子様からのプレゼントで、誕生日プレゼントだとその側妻様は弁解するが、そんなのはデタラメだと言う第一妻である側妻様が仰った一言で全てが変わってしまった。


可愛がっていた側妻様達は態度を急変させ、その側妻様を目の敵にし、様々な嫌がらせを行った。

テリジェフの言う電気の件もその一つ。

『電気など必要ない』と側妻様達は王子様にバレないよう内緒で取り上げ、ハレムに相応しくないと端の方へ追いやった。

そして、その側妻様に付き味方する侍女等も全て……………排除されたそう。

まぁ、これは噂だけどそう言うのが実際に行われていないのであれば、そもそも侍女達は何の理由もなく辞めていったりはしないわ。

だからきっとそれが原因で側妻様はそのような性格になってしまったのだと思う。

誰も止めれない。誰も止めようとはしない。

それがここのハレムであって、この正室争い。



< 109 / 368 >

この作品をシェア

pagetop