クールな御曹司の甘すぎる独占愛
大切な人を守るためにできること


タクシーを駅で降り、電車を乗り継いだ奈々が向かったのは、真弓の自宅だった。これから行ってもいい?とメールをすると、真弓は快く了承してくれたのだ。


「遅くにごめんね」


幼い美弥がいるから迷惑なのはわかっているが、どうしてもひとりになりたくなかった。
何度も謝る奈々に真弓は「気にしないの」と優しく言う。


「美弥ちゃんは?」
「もう寝てるから平気」


リビングに案内しながら、真弓は「パパも出張だしね」と続けた。


「ねね、そういえばミヤビのSNS見た? あれ、光風堂の和菓子でしょ? ロケのあとお店に行ったの? 私ももう少しいればよかった」


真弓は入れてきたお茶を残念そうにテーブルに置いた。


「あ、うん……」


気のない返事を奈々がすると、「なにかあったの?」と真弓は心配顔を浮かべる。

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