クールな御曹司の甘すぎる独占愛

「どうかしたの?」
「……電池が切れちゃった」


心配そうに聞く真弓に自嘲しながら奈々が答える。スマホまで晶との関係は断ち切れと言われたようだった。


「じゃ、充電しなきゃ」
「ううん、いい」
「なんで?」


電話が繋がっとしても、晶と今すぐ話せることはなにもない。感情的になるだけだ。


「いいの」


真弓は困ったようにため息をひとつ吐いた。


「ともかく、今夜はうちでゆっくり休んで、少し頭を冷やしたほうがいいわ」


頑なになる奈々に優しい言葉をかけ、真弓はシャワーを勧めた。

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