子爵は新妻を独り占めしたい
「サーヤ」

2人の会話に耳を傾けていたら、エミリーが声をかけてきた。

「サーヤはサーヤなりにゆっくりと時間をかけて考えなさい。

まだ時間はいくらでもあるから、ゆっくりと考えてから答えを出しなさい」

そう言ったエミリーに、紗綾は「はい」と返事をした。

自室に戻ると、紗綾は息を吐いた。

「ゆっくりと考えて、か…」

宣言した以上はそのつもりではあるが、答え的には早い方がいいかも知れない。

(いつまでもお世話になるって言う訳にはいかないもんね…。

それに、もしかしたら何かがきっかけで元の世界に帰れる可能性だって…)

そう思った紗綾だったが、
「元の世界に帰れたとしても、誰がいてくれるんだろう?」
と、自嘲気味に呟いた。
< 78 / 103 >

この作品をシェア

pagetop