【完】キミさえいれば、なにもいらない。
「イケメンでスポーツもできるとか、ほんと最高だわ~。素敵だわ~」


「……はは」


「でも雪菜ったら、なんだかんだ言ってたわりに、最近彼方くんと仲いいよね?」


「えっ」


唐突にそんなことを言われ、ドキッとする。


「そ、そうかな?」


「いつのまにか本の貸し借りまでするような仲になってるし。この前も二人でなんか、小説の話で盛り上がってたじゃん」


「……っ」


さすが璃子、人のことをよく見てる。


でも正直、仲がいいっていうほどでもないような気がするけれど、以前に比べたら、彼と親しくなったことは確かだ。


一ノ瀬くんは最近読書に目覚めたのか、急に小説をたくさん読むようになって、それで本を貸してあげたり感想を言い合ったりしていたら、いつのまにかよく話すようになって。


私も彼のことを前ほど苦手だとは思わなくなったし、警戒する気持ちはだいぶ無くなった。


まぁもちろん、チャラ男のイメージは拭えていないけれど。


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