【完】キミさえいれば、なにもいらない。
彼は、他のチャラチャラしたお兄ちゃんの友達とは違って、私に対してとても親切にしてくれた。


真面目で優しくて、私のことをからかったり、弄ったりもしない。


逆に一人だけフォローしてくれたり、片づけを手伝ってくれたり。


いい人だなって、素敵な人だなって思った。


世の中には、お兄ちゃんと違って、こんな誠実な男の子もいるんだって。


元から私はあまり男子と積極的に関わるようなタイプではなかったから、男の子とまともに話したのもそれが初めてで。男の子に優しくされたのも多分、初めてだった。


私はそんな彼にいつしかドキドキしたり、ときめいたりするようになって、いつからか、彼がうちに遊びに来るのが楽しみになっていた。


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