【完】キミさえいれば、なにもいらない。
それと同時に、自信も喪失してしまった。


ただでさえ自分に自信がなかったのに、陸斗先輩の言葉で、自分を完全に否定されたみたいで。


あらためて、つまらない、魅力のない女だと宣告されたみたいで。


ますます自分が嫌いになった。


私には、小説に出てくるような素敵な恋なんて、できるわけがないんだ。


そういうのには縁がないんだって、そう思った。


だからもう、絶対に恋なんてしない。


誰も好きにならないし、誰とも付き合わない。


その時私は心の中で、硬く決意した。


そうこれが、私の苦い初恋の記憶――。

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