エテレイン
バンド
『とりあえず訂正。
確かに作曲家でしたけど、もう昔の話です。
それに天才でも何でもない、才能も何もなかった凡人です。』



「やぁお母さんから聞いてるよ。
高校三年生の冬休みがもうすぐだというのに、なんの進路先も決まってないだとか。」



私の話は無視なのか。



『やりたいことも譲れないものもないんですよね。』



何をやっても平均の私。
ずば抜けて出来ることは何一つない。



「へぇ音楽は?
もうやんないの??」



『このまま何もやること見つからなかったら音楽の道に歩もうとは思ってますけど。』



今のところ、進路希望調査は真っ白。
このままだと音楽の道に進むことになるだろう。



『だけど、音楽で食べて行くのも大変なので。
名前を今のうちから広めておかないとですよね、音楽の道に行こうが行かまいが。』



保険はかけておいた方がいい。
やりたいことはないけどニートになる気はないから。
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