大王(おおきみ)に求愛された機織り娘

嫉妬

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嫉妬

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あの日以来、大王は毎日、朝晩、食事に来る。
しかし、あの日の様に切なく迫ってくる事はなかった。

大王と朝餉を食べ、針仕事をし、大王と夕餉を食べる。

そんな毎日が続いていた。


梅雨も明け、間もなく秋という頃(現在の7月末頃)、それは突然起こった。

私がひとりで針仕事をしていると、さやさやと衣摺(きぬず)れの音がして、煌びやかな衣を纏った媛が現れた。

彼女は、私を一瞥して、

「何よ。
麻の衣を着て、絹の衣を縫ってるなんて、
ただの針子じゃない。
みっともない。」

と言い捨てて去っていった。

何？
誰？

突然、悪態を吐かれて、何がなんだか分からない。