大王(おおきみ)に求愛された機織り娘
大王は私の涙を大きな手で拭ってくれた。

そして、私をそっと抱き寄せ、

「すまない…
アヤが愛しくて、愛しくて、
自分を抑えられなくなった。
………アヤ、俺を嫌わないでくれるか?」

大王は心配そうな表情で私の顔を覗き込む。

私は涙に濡れた顔を両手で隠して、こくん…と頷いた。

大王はその広い胸に私を抱いて、優しく頭を撫でてくれる。






私は大王に酷い事をしているの?

私はどうすればいい?

ハヤ、あなたは今、何を思ってる?

ハヤ、あなたはもう、私の事なんて忘れた?
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