難病が教えてくれたこと
第9話
【如月李那side】
さぁさぁ、今日は待ちに待った文化祭です。
皆気合い入ってるねえー。
私たちはお化け屋敷風喫茶店。
…ネーミングセンス無さすぎな。
「…李那、可愛い!」
「委員長、可愛すぎか!」
私が来てるのは狼風のワンピース。
狼風のカチューシャして、灰色の膝丈のワンピース。
メイクで傷つけたり、血糊塗ったりしてもらった。
裾や袖はレースであしらわれてるの。
髪の毛は巻いてくれた。
全員分の衣装を10何人がかりでやってくれた。
海澪は赤ずきんちゃんになってる。
そして蒼空は…
「なんで…」
「「ぷっ…」」
「笑うな!」
蒼空はアリスになってる。
アリスのワンピース来て、ボーダーのストッキング履かされてる…
金のカツラつけられて黒のリボンではい完成。
……
「李那…てめえ…」
「コラコラそんな口調じゃダメでしょ…くくくっ…」
これは可愛い。
アリスだ。
…くくくっ…
ーパシャ
「無言で写真とるんじゃない!」
「やばっ…お腹痛くなってきた…」
蒼空、可愛すぎ…
他のやつは見事にそれぞれコスプレしている。
メイドいたり執事いたり…
私みたいな狼はいないけど。
猫もいる。
犬もいる。
だけど、着ぐるみだ。
「…蒼空、可愛いよ…くくっ…」
「笑うなよ!恥ずかしい!」
…いやあ、これも私の提案なんだけどね。
衣装係に伝えといたらニヤって笑ってOKしてくれた。
…それでもほんとにするとは。
「お、李那、可愛い」
「ありがとう裕くん」
「その可愛いアリスは?」
「…ふふっ…」
蒼空は真っ赤になってる。
「え、まさか蒼空?!」
「そうっすよ!」
「「「あははははっ!!!」」」
私と裕くん、海澪が爆笑する。
「よっしゃ!文化祭楽しもうや!!」
「「「「「おおおおお!!!」」」」」
クラスのみんなとも思い出作りたいしね!
井上の衣装はフランケンシュタイン。
頭に包丁刺さってる。
…背が高いから適任だね!うん!

「2年3組!お化け屋敷風喫茶店やってまーす!来てくれなきゃ噛み付くぞ!」
…このセリフはあの衣装係のグループに言わされてる。
ジュース奢ってくれるから。
背に腹は変えられないでしょ…
「噛みつかれるの?!」
「噛み付くよ!来てくださいね♪」
「そうだな、行ってみよう。」
一般の人もたくさん来ている。
「2年3組!!お化け屋敷風喫茶店来てくださーい!来てくれないと引っ掻いたり噛み付いたりしちゃうぞー!」
…楽しくなってきたかも。
ちょっとずつあってる気がしてきた。
「ヘェ、お姉さん達可愛いね、喫茶店行くから俺らの相手してよ」
突如現れた一般の人の5人組。
…相手?
「ね?行くからさあ〜」
ニタニタと気持ち悪い。
蒼空の腕を掴んで連れ去りそうになってる。
「あのさ、お兄さん達。」
「何?君も相手してくれるの?」
私の腕も1人が掴む。
その腕を爪を立てて掴む。
「来てくれるの?来てくれないの?どっち?」
営業スマイル。
流石私!
イライラもマックスに近いし、私が爪立ててる人顔歪んできてるよ?
「…いててっ…」
「あ、すみません!狼なもんで、加減が…」
「…」
「で、来てくれないの?来るの?どっち?」
今度は拳をバキバキ言わせながら私は営業スマイルで声をかける。
「それと、迷惑だから校内でこういう行為は慎んでくださいね♪死にたくなければ」
< 73 / 200 >

この作品をシェア

pagetop