青夏ダイヤモンド

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特進クラスに入って1年が経ち、また桜の季節がやってきた。

春の陽気に誘われて、何か新しいことが始まる気がしてならないのは、1年前の今日、充希や脩、沖田くんと話したことがまだ記憶に新しいから。

私の高校生活なんて、ろくなものじゃないと思っていたし、そうであってもまあいいか、と思っていた。

かなり荒んでいたなぁ。

「今日、部活は？」

「ない」

野球の道具を入れているボストンバックを持っていなかった脩が乗り合わせて来た。

2人で早い電車に乗って登校するのは今も同じで、時間を変えることはない。

時間を変えてしまうと、混み合ってしまってこうしたボックス席を2人で占領できないから敢えてこうしている。

「じゃあ、寄り道しない？」

「いいよ。俺、CD見に行きたい。あとスポーツショップ」

部活が無い時は結構貴重で、そういう時には放課後に寄り道をすることが多い。

「春の甲子園、全部見てた？」

「対戦校によって取捨選択してた」

「じゃあ、3回戦は？」

「もち見た。事実上の決勝戦だもんな。もっと見たかったのにもったいねぇよなぁ。完全な投げ合いだったもんな。俺も完封とかしてみてー」

「今年の目標、完封。どう？」

「ハードル高」