きっと夢で終わらない
ことばの定義
人間と関わりたくないと思ったことはない。

というか、私はむしろ、人と関わるのが好きだった。
他愛のないことを喋って、笑って、一緒に遊んで、はしゃいで。
元来の社交的な性格のせいか、自分から他人に話しかけることに物怖じしたことはなかったし、自然と私の周りには人が多かった。


でも、自分にとって「特別な人」を作ろうと思ったことは、なかった。
大きなきっかけはたぶん両親の離婚と、そして、小学生の出来事。



突然自分の周りから人が消えるという経験をしたことがある人は、どれくらいいるだろう。
目の前から物理的に消える、所謂「死」ではなく、普段目には見えない「関係」というものが突然切れる、こと。
案外それに気づかないで過ごしている人や、そういう関係の変化に敏感な人、それぞれいるだろうけれど、私はそういうことがあることに気づかなかった人間、だった。
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