先生は、私のこと好きですか?
落書きなんかじゃないです。
「テスト返しまーす。出席番号1番の人から取りに来てー」



昨日やった日本史のテストをもう返却している。
ノートも一緒に。




(あぁ、どうしよう。
もうすぐ私の番がくる)



「古宮さーん」



恐る恐る先生のところへ行く。



サッとテストとノートを渡された。
みんなと同じように。




(あれ?なんともない)



少し早足で席に戻ってテストよりも先にノートの最終ページを見る。



でもそこには

《確認しました》

というハンコが押されてあるだけだった。




自分が書いたメッセージが
ただの落書きに見える。



恥ずかしくなって急いで消した。



目頭が熱い。
視界が歪む。
涙がこぼれそうになるのを我慢する。





「はい。じゃあ解説しまーす」



何事もなかったように授業を進める先生。



(そうだよ。何もなかったんだ。)



そう自分に言い聞かせた。
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