夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】

だから、「ミネアさんが気に入ってくれたのなら、もうこの衣装に決めていいだろう」と……。
周りの反応を恐れて一分一秒でも脱いでしまいたかった僕はそう思って、その気持ちを伝えようとした。


しかし。
たいした反応もないだろう、と思っていた僕の予想とは違って……。


「ーーほぅ!
マオ君、なかなか似合うじゃないか!」

「本当!お似合いですわ!!」

「長身で締まった身体にピッタリ!
細身のタキシードが映えますわ〜!!」

ハンク様に続いて、係の人達からも、そんな上反応な言葉が飛び交った。


ーーえっ?!

僕の周りを、あっと言う間にみんなが取り囲んでマジマジと見つめられる。
この状況と、予想外の反応に動揺が隠せない。
僕の心臓は、まるで捕らえられた鳥のようにバタバタと暴れていた。

そんな僕の心境など全くおかまいなしに、事は進んで行く。
結婚式の相談や準備をしてくれる係のリーダーの女性、キャナルさん。彼女はミネアさんの友人で同じ年。
このホテルの結婚式やパーティーなど、様々なイベントを支えるバリバリのキャリアウーマンだ。
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