夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】

『ま、性別なんてどっちでもいいや。
これからよろしくね!ディアス』

”ディアス”……。
今までこの名前で呼ばれて、心が踊った事なんて一度もなかった。

けれど、リオン様に呼ばれた瞬間。
この方の為ならば、と……。
”ディアス”として生きる事を選んで良かった、と……。心から思えた。


胸が熱くなって、込み上がる感情が抑えられなくて泣いてしまった私を、リオン様は一緒に木陰に座るよう促して下さり、ご自分の大好きな本を読んでくれた。

私が泣き止んで、笑顔になるまで、ずっとずっと……。ただ、傍に居て下さったんだ。


『僕ね、この絵本に出てくる月の国のお姫様みたいに長い黒髪の女の人が好きなんだ。
だから、ディアスも伸ばしてよ!』


全ては、リオン様の仰せのままにーー。

あの日からずっと、私はあの方の為だけに生きてきた。
リオン様がお望みになるのならば、私はどんな事でも出来る。

それが例え、世界中の人間を敵に回す事であろうとも……。

……
…………。
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