恋はデジャヴ〜鈍感少女の全力疾走日記〜
先輩と後輩
結局私と山下くんの2人だけで
いつもの自習室に来て勉強した。
下校時間のチャイムがなっていつも通り、
たわいもない話をしながら歩く。
外はまだ明るさが残ってて
生徒もちらほら残っている。
「山下先輩!」
どこがで見たことがある女の子が山下くんに話しかけてきた。
「おおー!」
「先輩何してたんですかぁー?」
「まぁ、勉強かな?」
「へぇぇすごーい!さすが先輩」
まるで私がいないみたいに会話が進んでいく。
「どうしたん?」
「あっ!あの先輩サッカー部の部室の鍵、朝練の後返しました?」
「やべっ」
山下くんは慌てた様子でポケットを探る
とポケットから鍵が出てきた。
「部室に置き勉してるんで、取りに行きたいんですけど、あ、あと!顧問の先生が探してましたよ?先輩のこと」
「わかった」
山下くんは後輩の女の子の後ろを追いかけて、そのまま部室の方へ走り出そうとした。
思い出したように、
山下くんはこっちを振り向いて、
「山本さん、俺遅なりそうやから先帰ってて」
「うん」
そう返事すると後輩の子と山下くんは部室の方に行ってしまった。