恋はデジャヴ〜鈍感少女の全力疾走日記〜

最寄駅の先輩



その日の部活の後、私はクラリネットの先輩に1人で呼び出された。


「山本さん、

二度と年生なんだからこれからは朝練ちゃんときて欲しいの。


今までは一年生だし、
山本さん上手いから今まで遅刻も許してたけど、

今年は山本さんもコンクールに出てもらうからね。

コンクールで私たちは引退だから、

最高の演奏で終わりたいの。

それに、他の子にも示しつかなくなるから」

「、、はい」

「山本さんが普段の練習すっごく頑張ってるのはよく知ってる。
だからこそもっと頑張って、
私達と一緒にコンクールまで全力尽くしたいと思わない?」


いつも優しい先輩から言われるのは

かなりキツイ、、

一年生のころから先輩が毎日かかさずに
朝練に出て練習を頑張っているのは知ってる


私も一年生で自分の実力が追いついていなかったころは結構朝練に行っていた。


だけど、

今の私は朝練に出なくても足を引っ張ることはない。


だから
今の私が朝練に行く意味が分からなかった。


先輩から呼び出されたから
いつも一緒に帰ってる美希には先に
帰ってもらっていた。


1人か、、

こういう時に1人で帰ると嫌なことばかり
思い出してしまう。

1人で校門をくぐる。




今日のテストのこと、


それに、昼休みの美希と玲奈


玲奈、たっくんとなんかあったのかなー


いっつも玲奈たちはラブラブで
美希と2人で羨ましいーなんて言いながら
お弁当を食べるのが日常だった



美希は知ってるのかな?

2人のことを考えていたら、
もう一つ思い出した。

この間、
美希も玲奈もネギ持ってふざけてたけれど
本当は朝練に行かない私に何か思ってるんじゃないかなって


なんて、とぼとぼ歩いてた。


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