春雷

(私たちは友達だから)

彼もそう言った。

私もそう思っている。


私たちは、何もないし、これ以上進むこともない。だって私は家族を持っている。


だけど、
少しずつ、
やっぱり彼の事を考える時間が増えていった。

もしかして
彼もそうかもしれないと
自惚れていた。


彼だって、何をしようと、
誰といようと、自由なのだし、
私が止めれるはずもない。

むしろ今となっては、
私とは友達である方が都合が良かったのかもしれない。


(高村先生、結婚してたの‥?)


だから私は友達だったんだろうか。

手を繋ぐのが好きなだけだったのか。



私は
あまりにも
彼のことを、知らなさすぎた‥。



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