眩しさの中、最初で最後の恋をした。
プロローグ 残りの時間

暖かく、柔らかな陽射しの中をそよぐ風に泳ぐ花びら。

そんな美しく暖かく、優しい季節と景色の中。

私は無事に高校生活最後の年を迎えた。


「今年の目標は、やりたい事は何でもやる。美しい物をひたすら目に焼きつける」


そう、口に出す私の目は今綺麗な桃色の花びらを散らす桜を眺めている。


そこから、視線をずらすと去年同じクラスになり意気投合して仲良くなった日菜子が走ってくるのが見える。


「有紗、おはよう!クラス発表見に行った?」

「私も今来た所だから、一緒に見に行こう?」

「うん、今年も有紗と同じクラスが良いな!」

「そうだね。私も同じクラスになりたい」


そうして向かった先には、クラス分けされた名簿の貼られた掲示板。

(だいぶ、見えにくくなってきたかもしれない……)


「やった!有紗!私達今年も同じクラスよ!」

「本当に!?何組だった?」

「三年二組!」

そう聞いて、私はもう少し近づいて掲示板を見ようと動いた。

「あ!本当に同じだ!嬉しい」

そう私たちは手を取り合って喜んだ。
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