限りない愛~甘い彼に心揺れて~
大切の意味
休み明けの月曜日、電車の窓から秋晴れの空を眺めながら、先週のことを回想。

金曜日は緒方さんからの誘いを断り、夕方副社長室に行った。畑野さんには副社長から直接私を借りるとの連絡が入っていたらしい

その事を聞いたとき、以前副社長が広報部に所属していたことを知った。畑野さんの後輩としての配属だったらしいが。

副社長室に行くと、応接テーブルの上に山積みされた書類とファイルが置かれていた。それらを整理して、終わったら帰っていいとだけ指示して、副社長は外出した。

書類は分別されて積まれていたので、整理には時間がかからず、定時には難なく終わせることが出来た。思いの外、早くに終わったので緒方さんの誘いを断らなくても良かったかなと思ったが、断る理由になったのだから良かったんだと思い直した。

私がいる間に副社長は戻らなかったので、『お疲れ様です。整理終わりました』とノートパソコンの蓋に付箋を貼って退室した。


この事については、兄のレストランに行く道中の車内で「ファイル、ありがとう」とだけしか言われなかった。
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