禁断の恋だって分かっていても好き。
禁断の兄妹の恋
そして、微笑んだ。
フワリと花が咲くように。



妖艶に笑ってくれた。



「これから先も、苦しませちゃうことの方が多いかもしれない。
また、泣かせちゃうかもしれない。
けど、何回でも涙を拭うから。
だから、俺と付き合ってくれませんか?」



誰が、こんなことを予想しただろう。
誰も描いていなかったでしょう、こんなに素敵なこと。



『っぅ、はい。よろしくお願いします。』



止まりかけていた涙は、また流れた。



「泣かないで?」



そう言って、ポケットから何かを取り出した。
そっと私の首の後ろに手をやって何かを付けた。
ヒンヤリとしたものが、鎖骨あたりに当たる。



「うん、似合う。」



満足気に微笑むお兄ちゃんを横目に首元を確認すると、予想通りのモノ。



オープンハートのシルバーネックレス。



『あ、ありがとう。』



「大切にしてね。」



『うん!』



最高の笑みをお兄ちゃんに向けた。
いつの間にか、涙は止まっていた。
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