24時間の独占欲~次期社長が離してくれません~
おはぎとカステラと

「結婚を前提に付き合ってほしいって言われたの。もう嬉しくって!」
「っていうか、片想いしてたなら言ってよ」
「ごめん。でも、取引先の人だったから、なんとなく言いにくくて。それでね、今日は彼が祝ってくれるの」

 社員食堂の片隅で、由紀は両頬を手のひらで包むようにして、随分と幸せそうだ。

 人の気も知らないで、と言いたくなる気持ちをぐっと抑え、十河伊鈴は作り笑顔を向ける。
 なぜなら、由紀は今のところ悪くないからだ。


 二人は、5年前に入社した27歳で、誕生日も同じ。
 血液型もA型で、身長も大差ない。
 話が合う上に共通点もあったので、入社してすぐに意気投合し、配属されている部署は違うけれど友人になった。

 だけど、自分の彼氏である拓也が、由紀に告白したと聞かされ、伊鈴は考えを巡らせている。
 拓也に怒りをぶつけるのは当然だけど、由紀を咎めるべきなのか悩んでしまう。

 よりによって、今日は10月1日。伊鈴と由紀の誕生日だ。

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