王子?団長?どっちもお呼びじゃありません!!~異世界悠々おひとりさま満喫日記~



***


 ドンドンドン!
 ドンドンドン!

「おい、頼みがあるんだ!! 開けてくれ!!」

 まず、けたたましいノックにビクリと肩を揺らした。けれど直後、聞こえてきた声に、私は首を傾げた。

 この声って、ミハル……?

「おい!? 居ないのか!?」
「! あ、はーい! すぐ開けます!!」

 逼迫感漂うその声に、私は弾かれたように扉に向かって駆けた。この時ばかりは、常ならば忘れずに仕込む鈍器を忍ばせる手間も省いた。

 なにより来訪者がミハルなら、一応知らない仲ではない。

 ギィィイイイーー。

 そうして扉を引き開ければ、開ききる前に、泣きそうに表情を歪めたミハルが飛び込んで来た。



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