「あっ、目、覚めた?」
朝、綾香の寝室のドアを開けると、ちょうどベッドから出ようとする彼女と目が合った。
「……ち、ちょっと……トイレに」
かすれ声で言って、よろよろしながら歩く彼女を目で追う。
修也にインフルエンザと診断されて二日後、彼女の熱は下がったが、ベッドに寝たきり状態。
食事もあまり口にしない綾香が心配で、家でずっと仕事をしていた。
テスト期間中じゃなくて良かったと思う。
彼女が無事にトイレに入ったのを見届けると、キッチンに向かい朝食を準備した。
母親が家事が全然駄目な人で、基本一通りこなせる。
すぐにキッチンに綾香が現れるかと思ったが、その気配はない。
「また寝室に戻ったか?」
少しでも何か食べた方がいい。
彼女の様子を見に寝室に戻ろうとしたら、バスルームからシャワーの音がした。