決して結ばれることのない、赤い糸
「カズ…お前、かりんのことが好きだったのか?」

「だったら?べつに隼人には関係ねぇじゃん」


そっけなく言い放つカズ。

そんなカズの肩をつかみ、廊下の壁に押しつける隼人。


これまで、隼人とカズがケンカしたところなんて見たことがない。

いつでも仲がよくて、お互いを尊敬していて。


そんな2人だった。


だから、突然目の前で始まった小競り合いに、わたしは目を疑った。


「隼人、その手…離せよ。なに出しゃばってるんだよ?」

「べつに…出しゃばってねぇよ。ただ、生半可な気持ちでかりんにそんなこと言うなよなっ」

「…なんだよ、それ。生半可な気持ちって…、一番お前に言われたくねぇよ!」


カズは、自分の肩をつかんでいた隼人の手を振り払う。

そして、隼人をにらみつける。


「…ちょっと待って!どうしたの…2人とも!」
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