覚悟はいいですか

「だからリベンジ、ね?」

「え、ちょっとまっ……あっ!」

私を組み敷いたまま、ただならぬ色香を放つ礼に見下ろされる
色っぽい目で見つめられるだけで、夕べのことを思い出し、甘い疼きに体が震えた

「っ!またそんな顔して」

吸い付くようにキスされて、頭から全身が痺れたようになる

唇から頬を伝い、耳殻を食んでいた唇に

「愛してる」

と耳穴に囁かれ、愛しさで胸がいっぱいになって礼の背中に手を回した

完全に捕らえられた私は、彼の優しい愛撫に啼かされ、何度も快感の波に沈んでは浮かび、

有明の月が霞んで、日がすっかり昇るまでずっと愛される羽目になった……

リベンジって1回じゃないの?!
起き上がることすら出来ないってドンだけよ~

私、初心者なんですけど!!
息も絶え絶えなんだけど!

なのに礼は全然余裕で超絶美麗な笑顔を崩さず、
「全然足りない」
「もっとちょうだい」
と繰り返し求めてくる

逃げる体力もない私は、礼にされるがままだけど…

その幸せそうな顔に、愛しさが溢れて止まらなくなる

『礼、愛してる』

もう声も出ないけど、キスに、抱きしめる腕に思いを込め、

身も心も礼で満たされて、私は幸せでいっぱいになった……





…ただね、
人が来るなら、前以て言って欲しかった

ベッドでイチャイチャしてる時に、急にインターホンが鳴って、ビックリ!!
慌てたなんてものじゃない!

訪れたのは部下の人たちらしく、礼が応対して1時間だけ待ってもらい、大急ぎで身支度を整えた

別室で休んでいようと思ったのに、再び部屋に来た人たちは私に話があるらしく…

立ち上がれない私は礼に抱っこされて運ばれる
あっけに取られてこちらを見る初対面の人達と、めちゃくちゃ気まずい中挨拶をする羽目になってしまったーーー
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