「山口さん、初めまして。
私は礼様の秘書兼ボディガードの志水朱門と申します。
こっちの長髪がジョルジュ、こっちの熊のようなのが百鬼です。
二人が主にあなたのボディーガードに付きます」

銀フレームの眼鏡をピシッと伸びたきれいな指先で押し上げながら、目の前の人ー志水さんは話し始めた
やや明るめの髪をきちっと固め、賢そうな眉と通った鼻筋、薄く引き締まった口元のインテリ系イケメンさんだ

ジョルジュと呼ばれた人は黒髪の長髪を後ろに束ね、エキゾチックな彫りの深い顔立ちで、こちらはアーティスト系イケメンとでもいったところ

二人ともブラックスーツをきれいに着こなして、お辞儀の仕方もとてもきれい

もう一人の百鬼さんは…2mを超す偉丈夫で、白髪混じりの短髪に同じく白いものが混じった短い顎髭が、貫録ある袴姿をさらに引き立てる。いかにも武道家という感じがする

リビングのソファに礼と並んで座った私は、てっきり会社関係の人と思っていた目の前の方たちの意外な役割に驚き、思わず挨拶も忘れて聞き返してしまった

「ボディガード、ですか?」

「はい。外出時はジョルジュがお供します。百鬼は危険が無いよう、目立たぬところより見守り、何かあれば駆けつけます。他に3人ほど交代要員がおりますが、彼らはまた改めてご紹介します。
それと今日より当面の間、礼様とこちらのマンションに住んでいただきます」

「え、そんな急に…」

いろいろ言われても困る!
それにおばあちゃんとの思い出がある家は、私の大切な宝物でもある
急に、しかも長く留守になんてできない

「紫織、落ち着いて。志水ももうちょっとこいつのこと考えて話せよ」

「考えるも何も。
山口さんを守る最善の策です」

志水さんの声はきっぱりしてて、一分たりと譲る気はないみたい…
礼は大きくため息をついて、私の肩を掴んで目を合わせた