覚悟はいいですか
4、真相
《side 紫織》
んんんっ、何だろう、体中が痛い……
重い瞼を少しずつ持ち上げる
体がコンクリートかなにかで固められたように動かない
仕方なく、視線を漂わせると左右それぞれに障子戸と襖が見えた
あれ、ここどこだろう?
何でこんなところに寝てるのかな…
ぼーとながら回らない頭で懸命に考えて
……思い出した
堂嶋に誘拐されて、礼が助けに来てくれて、そのまま気を失ったんだ
そこまで思い出して再び、最初の疑問に戻る
じゃあ見慣れないこの部屋に何故寝ているのか、そもそもここはどこなの?
病院でないのは一目瞭然、なぜなら目の前に見える天井は網代編み、壁は漆喰で、私は畳に敷いた布団に横たわっている
こんな純日本風の病室はありえない
それに
……彼の姿が見えない
「礼?どこ?」
小さな声で呼ぶけど返事がーーーない
どうしよう、どうしたんだろう……
不安になって部屋中に視線を漂わせていると、すぐそばの襖がスッと開き、
思いがけない人が顔をのぞかせた