覚悟はいいですか

2月14日


彼女に『勉強を教えて』と頼まれた

もちろん俺に否やはない

二人っきり……とはいかないけど、手が触れ合う程の至近距離で彼女を独占できるから

つくづく勉強ができてよかったと、こんな時ばかり両親に感謝する



図書館に来た彼女は心なしか、いつもより顔が赤い
勉強もどこかうわの空で

「紫織、どうかした?」

「……」

「しお?」

「えっ!あ、ごめん。ちょっとぼうっとしてた」

「大丈夫か?」

「うっ、うん、ごめんね」

さっきからこんなやりとりを繰り返してる
ほんとに熱があるかもと心配するが、それもどうやら違うようだ

どうしたのだろう……


その時ふと、スマホの画面を見てひとつの可能性が閃く

えっ、もしかして今日……



そういうこと?

< 207 / 215 >

この作品をシェア

pagetop