「うわあ、きれ~・・・・・」

白鳥座のデネブ、わし座のアルタイル、こと座のベガーー夏の大三角形がはっきり見られるなんて!
都会では決して見られない満点の星空に思わず声が出た

ずっと見ているとどちらが空でどちらが地面か、わからくなりそうだ
空に吸い込まれそうな錯覚を覚え、ちょっとこわくなって目線を下に移した

このペンションはさっきまでいたBBQ会場よりも少し高台にある
今は真っ暗なBBQ会場を見渡しながら今日のことを思い出していた


とてもおかしな一日だった


礼から逃げようとして結局一緒にパーティーに出る羽目になった

せめて距離を置こうとしたのに、彼は一日中、私から離れなかった
気のせいかとも思ったが、女子の視線が鋭く刺さって辟易とした
綾乃さんも『なんかでっかいのに懐かれてるね~』と終始ニヤニヤしていたし・・・

私としては今日一日での精神疲労がこの上なく、何度めまいに襲われたかわからない
なのに主な要因である彼は、まだリビングにいて・・・


ふう・・・・
今日何度目かわからないため息をついた

考えてもしょうがない

最後にもう一度星空を見て、今日のことはリセットしてから寝るとしよう!

そう決めて、再度空を見上げた


ああ、何度見ても引き込まれる

「・・・空に落っこちそう・・・」

「それは困る」

独り言に応えがあり、肩がはねた

優しく響くこの声ーーー礼の声だ

振り返ろうとして動きをさえぎられる

礼の両腕が、後ろから私をすっぽり覆い、抱き締めていた