覚悟はいいですか
会議室に膨大な資料が運び込まれた

茫然自失で秘書達が見ている

「山口さん?ホントにこれ全部・・・」

「覚えてもらいます。取り敢えず適当に分けるから端から頭に叩き込んでください」

現実を認めたくないのか、言葉にできない続きを代わりに告げて、突きつける

できないなんて言えない、それが仕事だ

「参加者の全てを覚えろとは言わない。その代わり、受け取った分の資料は完全に把握してね、もちろん更新すれば最新の情報で覚えなおしてください」

秘書達の顔がひきつった

構わず、ゲストの資料を等分して配る

その様子を見ていた一人が不思議そうに聞く

「山口さんと麗奈さんの分がないですが・・?」

ご心配なく!

社員の資料を2等分して、自分と麗奈の前に置いた

「私達がこれを頭にいれるまでに、
各自、自分の分は終わらせてね!
それが終わったら交換しましょ」

「!!!!!」


会議室は声にならない悲鳴で満たされた
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